JA三重中央会

三重県あぐり(農業)ニュース

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【2014.01.22】
猿追い払いで被害軽減/伊賀市の集落で獣害対策【JAいがほくぶ】


写真=集落全体で取り組む獣害対策委員会のメンバー

伊賀市下阿波地区では、地区住民が一丸となった獣害対策で成果を上げている。同地区で耕作地に獣害被害が出始めたのは1998年頃、猿やイノシシ、鹿などが人里に下りてきて、農作物を荒らし始めた。被害は年々深刻化し、特に賢い猿は民家に侵入したり、人を威嚇したりと徐々に人を恐れなくなってきた。

2009年に、有志を中心に獣害対策委員会を発足し、市の協力のもと本格的に獣害対策に取り組むことになった。さらに、地域で一丸となって獣害対策を行うために、住民の意識改革を行った。講演会を開き、獣害対策の知識を共有することで、区民の理解を得て、協力体制を築いた。

具体的な対策は電気柵を備えた防護柵の設置と、徹底的な追い払い。特に悩まされていたサルに効果があったのは追い払いで、これを徹底することでサルの被害が格段に減った。追い払い方法は、サルの出没を花火や爆竹などで知らせ、近くの住民が集まって追い払い隊を結成し、山の奥までサルを追い払うというものだ。棒やパチンコなどで、サルを怖がらせて山の奥まで追い払うのがポイントで、「畑から追うだけでは不十分。山裾に隠れて様子をうかがってまた出てくる」のだという。
 同地区獣害対策委員会代表の森岡文孝さんによれば「サルを傷つけるのではなく、怖がらせることが一番大切」という。徹底的に追い払うことで、サルにこの地域に来たら怖いということを学習させる、賢さを逆手に取った作戦だ。下阿波地区では11年度に徹底的な追い払い作戦を行った結果、12年度にサルが下阿波地区に現れた回数はたった1回と激減した。


写真=防護柵の仕組みや効果について説明する獣害対策委員会の森岡さん㊨と池田薫さん㊧

防護柵と追い払いで、獣害被害が激減したことで、地区では収穫できなかった枇杷の収穫ができるようになったり、放置されていた圃場でそばの栽培が再開されるなど効果が表れてきている。
 現在も、市から逐次伝えられるサルの位置情報などを確認しながら、警戒を続けているという。森岡さんは「獣害対策は地域の理解と継続が必要。今後も地域で団結して続けていきたい」と語った。